法人向けレンタルサーバーを比較!

法人がホスティングサービスを探している場合は、個人がレンタルサーバーを借りる場合とは、比較するポイントが異なるのは当然だろう。

個人がレンタルサーバーを持つ場合は、安さは重要な要素の一つだろうが、法人の場合は安いことよりはトータルのコストを考えておく必要があるだろう。

例えば、稼働率が低いレンタルサーバーや、不安定なレンタルサーバーは機会損失が大きくなり、コストが安くなるとは言えない。

ここでは、法人向けホスティングサービスを比較しているが、個人でも手の届く位の比較的格安な法人向けレンタルサーバーを中心に比較している。実際、筆者も借りているレンタルサーバーや借りていたサーバーも沢山ある。

基本的には、稼働率100%保障のSLA(品質保証制度)を制定しているレンタルサーバーがおすすめだ。

稼働率・安定性・サーバー機能で比較

法人向けホスティングサービスで最も重要なポイントは、やはりサーバーが落ちないことだろう。

安いレンタルサーバーは、このあたりの対策が弱いのは、致し方のないところではあるが、法人がレンタルサーバーを借りる場合は、そんなことを言ってられない。

ホームページはもちろん、メールサーバーも重要だ。大事なメールがサーバーが落ちていたがために届かなかったなんてことは、笑い話ではすまない。

サーバーが物理的障害で落ちることに対しては、冗長化、二重化でほとんどのサーバーが対応してくれている。このあたりに関しては、格安レンタルサーバーであっても、よほどのことがない限りは対応してくれているだろう。

サーバーにアクセスできないのは、サーバーの物理的な障害だけとは限らない。ネットワークの障害もよく発生する。

ネットワークの障害が発生した場合に、別回線で接続できるのも大事なポイントだ。

他には、共用のレンタルサーバーならではの問題として、他のユーザーが負荷をかけすぎている場合に、サーバーが不安定になる問題がある。格安サーバーは、どうしても一台に沢山のユーザーが入るため、他のユーザーの影響も受けがちだ。

その点、価格が高くなればなるほど、1台あたりのユーザー数は減っていくと考えられる。最終的には専用サーバーを検討するのもいいだろう。

以前は専用サーバーを借りても、セキュリティ設定などは、自分でする必要があり、知識のある管理者がいないと運用するのは難しかったが、今では、マネージド専用サーバーというサービスも一般的になってきている。マネージド専用サーバーは、専用サーバーではあるが、管理はホスティング会社が通常のレンタルサーバーと同様に運用してくれるから、共用サーバーを借りるのと全く同じように扱える。そのため、管理者がいなくても、問題がない。

マネージドサーバーの場合は、専用サーバーほど自由度はないが、価格は安価になっており、1~2万円/月で借りることができるため、より安定性の高いサーバーを探している人にはおすすめだ。

もちろん、占有サーバーということは、回線自体も占有だから、ネットワーク環境の面でも、安定するのはいうまでもない。

いずれにしてもビジネス用途でレンタルサーバーを借りるのであれば、100%稼働してもらわないと機会損失が発生してしまう。

よって、おすすめは稼働率100%保障のSLA(品質保証制度)を制定しているレンタルサーバーだ。

稼働率100%保障のSLA(品質保証制度)を制定しているレンタルサーバーというのは、法人向けでは比較的一般的だ。

ただし、この稼働率の計算方法が、多少違いがある。稼働しているか否かを、システムで監視している場合と、利用者からの指摘で判断する場合があるのだ。

前者のシステムで監視する場合は、その監視システムが動いているのかという疑問がなくはないが、基本的には信頼できると考えられる。

後者の場合、利用者でずっと監視し続けることはほとんど不可能だから、若干不安が残りそうだ。

そうはいっても、利用者側もログなどをチェックすることである程度把握できるわけだから、SLAを設定している以上は、信頼度はあるのだろうとは判断できるし、後者の方が当然ながら安い。

したがって、安さばかりを気にするというのもどうかとは思われる。このあたりは、費用対効果をどう考えるかというところだろう。

バックアップ機能で比較

データ喪失ということは、そうそう起こることではないが、そうは言っても、かつて某大手サーバー会社が大規模な障害を発生させたように、人為的なミスで障害発生のリスクはどうしてもつきまとう。

こういう場合に備えて、バックアップ機能も重要な要素といえる。バックアップは、面倒だし、障害が発生するまでは役に立たないから、どうしても軽視しがちだが、障害が発生してからで遅いのはここであえて書くまでもないだろう。

HTMLで作成したホームページなら、FTPでアップロードしている為、データ喪失でも、バックアップは手元にあるわけだが、昨今人気のWordPressのように、サーバーのデータベースにデータが格納されているようなシステムの場合は、定期的にバックアップしていないと、どうしようもない。

SSLサーバ証明書で比較

昨今、WEBサイトを運営する際、特に企業など法人がホスティングサービスを利用して運営する場合、SSL化はもはや必須とも言えるかもしれない。

少なくともここ1~2年内にはSSL化はしなければいけなくなると思われる。

SSL化の詳細はコチラで紹介しているので参照してもらいたいが、SSL化するためにはSSLサーバ証明書が必要だ。

SSLサーバ証明書の価格は決して安くない、また、SSLサーバ証明書は販売サイトによって価格は異なるため、少しでも安いところで購入したいと考える人も多いだろう。

ところが、他社で購入したSSLサーバ証明書を持ち込めないホスティングサービスも無くはないのだ。というよりは持ち込めるレンタルサーバーの方が少ないのかもしれない。

従って、特定のSSLサーバ証明書を検討してレンタルサーバーを借りる場合には、そのSSLサーバ証明書をあつかっているか、SSLサーバ証明書を持ち込めるかなどを確認しておく必要がある。

法人向けレンタルサーバー・ホスティングサービス人気ランキング

法人向けレンタルサーバーの管理画面は多くが、オリジナルとなっている。そして、どこもわかりづらい。色々な設定ができるようになっているためなのだろう。

そうそう引越すものでは無いだろうし、すぐに慣れるだろうから、他のレンタルサーバーを使ったことがある人ならまずは問題ないだろう。

法人向けホスティングレンタルサーバー比較ランキング1位

Xserverビジネス

個人向けレンタルサーバーで人気のエックスサーバーの法人向けがエックスサーバービジネスだ。

サーバースペック等は個人向けと同様にハイスペックサーバーとなっている。

エックスサーバー ビジネスの特長としては、「設定代行サービス」でサーバー移転や、サーバーパネルの設定などを無償で実施して貰える点だろう。

サーバー移転などは知識がないと難しい面があるが、知識あるスタッフがいない法人にはピッタリのサービスと言えそうだ。

サーバー料金は個人向けより割高だが、サーバー移転代行は通常は33,000円なので、これが初回無料という点だけでも十分元がとれるだろう。なお、2回目以降は16,500円/回が必要だ。

さらに、簡単な「ホームページ無料制作サービス」もある。WordPressを利用したサイトなどで基本的なサイト程度になると思うが、とりあえずHPが欲しいという法人なら使えるだろう。

SSLについては、より認証レベルの高いSSLが用意されている。個人向けの場合はドメイン認証SSL(0円~15,400円)までだが、法人向けの場合は企業認証SSL(20,900円~75,900円)やEV SSL(52,800円)にも対応している。

他に以下の機能がビジネス向けというところだ。

  • Web改ざん検知
  • SLA(品質保証制度)
  • セコムセキュリティ診断

逆にこのようなエックスサーバービジネスの特長面に魅力を感じないのであれば、個人向けのエックスサーバーで必要十分ともいえる。

法人向けホスティングレンタルサーバー比較ランキング2位

WebARENA SuiteX

WebARENA SuiteXは、NTT PCコミュニケーションズが運営するレンタルサーバーだ。

月額1,361円~と格安だが、稼働率100%保証のSLA(品質保証制度)が設定されている。しかも、サーバー側で稼働しているか否かを監視するシステムなので、利用者側で監視するタイプよりは信頼できる。

ただし、スタンダードプランの場合は、メールサーバーは対象外となっているので、法人でメールの利用を検討しているのなら、メールプレミアムというプランがおすすめだ。

ただし、この場合、月額が4,480円と一気に高くなってしまう。

管理画面はオリジナルで、わかりづらい。

法人向けホスティングレンタルサーバー比較ランキング3位

CPI

CPIは、KDDIのレンタルサーバーだ。

稼働率100%保証のSLA(品質保証制度)を制定していることからも、どちらかというと法人向けのレンタルサーバーといえるだろう。ちなみに、この精度はwwwサービス、メールサービスともに対象となっているので安心だ。

価格は月額3,800円となっているので、決して格安とは言えないのだが、充実した機能やSLA制定などを考えれば、十分格安と言えるだろう。

マルチドメインもMySQLもメールアドレスもディスク容量も原則として無制限となっている。

管理画面はオリジナルで、若干わかりづらいかもしれない。

法人向けホスティングレンタルサーバー比較ランキング4位

GMOクラウドiCLUSTA+

GMOクラウドiCLUSTA+は、GMOグループのGMOクラウドが運営するレンタルサーバーだ。元はアイルという会社だった。

価格は934円~なので、ビジネス用途ではかなり格安なレンタルサーバーと言える。

その分、ディスク容量など制限はあるが、最も安いミニプランでも200GBだし、マルチドメインは60個、MySQLは30個と十分な数はある。

これでいて、稼働率100%保証のSLA(品質保証制度)を制定しているのだ。ただし、利用者から稼働していないことを指摘しないと適用されないので、そのあたりは若干不安はあるかもしれない。

管理画面はオリジナルで、若干わかりづらいかもしれない。

法人向けホスティングレンタルサーバー比較ランキング5位

エックスサーバー

半額キャッシュバックキャンペーンを実施中だ。12ヶ月以上の新規契約をすると利用料金の半額がキャッシュバックされる。

このキャンペーンは2022年10月27日12:00までとなっている。

エックスサーバーは、格安レンタルサーバーというには、若干高めの価格で月額1,100円(12ヶ月契約)~となっている。初期費用は2022年8月4日より無料となっている。

その分高速化にこだわっており年々サーバースペックが上がっている(既存ユーザーも希望すれば新サーバーに移行できる)。

他にもキャッシュによる高速化と負荷軽減効果を持つPHPの拡張モジュール「OPcache」を標準で有効化し、さらに「FastCGI」と呼ばれる高速な動作方式による実行処理を行うほか、PHP5の倍以上の実行速度を誇るPHP7を導入するなど、より高速なWebサイトを運用することが可能な環境を提供している。

サーバーへの負荷が大きくなると制限がすぐにかかるが、逆に考えれば他のユーザーの影響を受けにくく安定的に動作する。

さらにWordPressの超高速実行環境であるKUSANAGIも導入され更に高速にWordPressが動くようになった。元々高速なサーバーに高速な実行環境を導入したことでWordPressの実行環境としては最高のレンタルサーバーと言えるだろう。

ロリポやさくらと比較すると高額ではあるが、WordPressの運用を考えているのであれば、KUSANAGI標準搭載のエックスサーバーの方がおすすめだ。

Webサーバーはnginx + Apacheの組み合わせとなっている。

なお、管理画面はオリジナルだ。

エックスサーバーのプラン一覧
プランスタンダードプレミアムビジネス
月額料金1,100円2,200円4,400円
ディスク容量200GB300GB400GB

法人向けホスティングレンタルサーバー比較ランキング6位

KAGOYA Internet Routing

20年に渡るレンタルサーバーの実績を誇るカゴヤは、京都の内陸部でデータセンターも自社で運営し、専任技術者が24時間365日サーバーを管理・運用しているレンタルサーバー関連事業が主たる事業の会社だ。

KAGOYA共用サーバーは月額880円(12ヶ月一括払い)~となっている。Webサーバーとメールサーバーは別サーバーで運営されている。WAF+IPS標準装備でセキュリティも万全だ。

最大10GBまではバックアップも無料

ただし、最も安いプランでは、メールは未対応だしデータベースはオプションとなっているので注意が必要だ。

管理画面はオリジナルだが、さほど複雑ではない。

他には、WordPress専用サーバーやデータベースサーバー、メールサーバーと言った用途限定のプランが440円/月~で用意されている。

中でも、WordPress専用サーバーは「KUSANAGI」を採用しており、かなり高速に動作する筈だ。

あと、カゴヤの特長としては、一般的な話ではないのだが、アダルトOKという点がある。

一般的なレンタルサーバーはアダルトサイトの運営がNGの場合が多いが、カゴヤは基本的にOKとなっている。もちろん日本の法律にのっとった内容に限る。詳細は直接確認してもらった方がいいが、例えば、文字が主体の出会い系のアフィリエイトサイトの運営などなら問題ないようだ。

法人向けホスティングレンタルサーバー比較ランキング7位

さくらのレンタルサーバー

日本でレンタルサーバーといえば、さくらインターネット社が一番最初に思い浮かぶ人も多いだろう。そのくらいの定番ともいえるべきレンタルサーバーがこの「さくらのレンタルサーバー」だ。

月額129円~と激安価格から借りることができるが、国内最大級のバックボーンを持つさくらのレンタルサーバーならビジネス用途でも十分対応できる。無料SSLも対応している。

もっとも人気のプランは、月額524円のスタンダードプランだ。おすすめももちろんこのスタンダードプランだ。

最も安いライトプランでもマルチドメイン20個に対応しているが、データベースは使えない。

しかし、スタンダードプランなら、MySQLも50個作れるため、WordPressの運営も余裕だ。個人で借りるならほとんどの人はこのスタンダードプランで十分だろう。ビジネス用途でも小規模なら十分対応できる。

Webサーバーはnginx + Apacheの組み合わせとなっている。

なお、WordPressでの利用であればPHPやMySQLの速度面にやや難があるため、あまりおすすめはしない。

管理画面は、オリジナルとなっている。

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